
小樽商科大学の前身である小樽高等商業学校は1911年に全国5番目の高等商業学校として設立されました。それ以来、本学は100年以上にわたり、「実学・語学・品格」という教育理念のもと、多くの有為な人材を産業界のみならず、多方面に輩出してきました。
2004年の国立大学の法人化により、国からの予算は縮小傾向にあります。一方で、大学に求められる役割は拡大しています。特に少子化や地方の経済が活力を失う中、大学は地域の知的な拠点、人材育成の拠点だけでなく、地域の活性化の中心としての役割も担うことも求められています。
これまで、本学は時代に応じた変革を続け、様々な挑戦を重ねてきました。その例として専門職大学院(ビジネススクール)の創設とそれにともなう札幌サテライトの開設などがあげられます。これらは本学の卒業生、地元の皆様、地方自治体、経済界など多くの方々のご支援により可能となりました。
本学では2011年の創立100周年の年に「教育振興基金」を設けました。それを用いて学生の正課や課外活動、国際交流活動、地域貢献活動などの支援を行っています。また、2016年度の税制改正により、寄付に対する税制上の優遇措置が拡充されたことを契機に、新たに、「修学支援基金」を設け、経済的な理由により修学が困難な学生等に財政的な支援を行っています。さらに2022年には、「グローカル教育・研究活性化基金」を創設し、これからの時代を担う人材育成や北海道全域への高等教育の機会拡充、地域社会との連携強化に取り組んでいます。
国からの運営費交付金は毎年削減されており、さらに課外活動に対する支援は国立大学の法人化以降行われていません。さらに、長年にわたる景気低迷により経済的に困窮する学生は増加しています。彼らの中には国からの支援の対象外となるものもいます。
将来の日本を背負って立つ若者がより多くの学びの機会を得て成長することを支え、また、彼らの経済的な不安を少しでも和らげることができるよう、皆様の温かいご支援を大学への寄附という形で賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
小樽商科大学学長
穴沢 眞